フジクリーン工業株式会社



水の話
 
自然が作り出した浄化装置

水生植物の群生地域を保全
 水の浄化には水生植物も大きな役割を果たしています。猪苗代湖は酸性のため、湖全体から見れば魚類や水生植物の種類が豊富とはいえません。水深は湖岸から急激に深くなっていますが北岸部は1km以上も浅せが続きます。そのため、北岸にはアシ、マコモ、アサザ、コウホネといった水生植物が多く見られます。水生植物が群生している場所は水環境保全区域に指定して、区域内での開発行為を規制し、水生植物による水質浄化も進めています。
 北岸には黄色い花をつけるコウホネも群落をつくっています。水生植物には葉が水面に浮かぶ浮葉植物、葉が全て水中に沈む沈水植物、茎や葉が水面から突き出る抽水植物があります。コウホネは抽水(ちゅうすい)植物に分類されますが、水深の深い場所では沈水葉が形成され、花をほとんどつけなくなります。猪苗代湖の北岸のコウホネはかなり沖合まで群落をつくっていますが、岸から20〜30mまでは抽水葉を、そこから先200mの沖合までは沈水葉となっています。これほどの沖合まで群落を形成できる理由の一つとして、猪苗代湖の透明度が高く水中に光が十分届くといったことも考えられます。
 一方、南岸は岸辺からすぐに水深が深くなっていますが、その一角に鬼沼と呼ばれる浅い場所があります。ここは山に囲まれた湾となっています。周囲の山によって風が遮られて波も穏やかなため、この辺りも水生植物によっては好適な環境となっています。鬼沼は水深が浅く水も中性で、アサザなどの水生植物も豊富で、ウナギやナマズも生息しています。

アシ群落
福島県では「猪苗代湖北岸部水環境保全区域」にあるアシ群落を保護するため試験的な刈り取りなどを実施しています。

鬼沼
鬼沼は猪苗代湖唯一の湾です。湾口の入り口からは三保の松原のように両側から砂嘴(さし)が伸びていますが、季節によってはほとんど水没していることもあります。


官民一体となって考える湖の未来
 水環境を守るためには条例などによる規制も大切ですが、もっと大切なことは地域に住んでいる人たちと共同して取り組むことです。そこで県や市町村といった自治体ばかりではなく地元の企業など62団体によって猪苗代・裏磐梯湖沼水環境保全対策推進協議会がつくられています。協議会では水環境保全についてのフォーラムの開催、啓発活動、水環境保全活動などを積極的に取り組んでいます。そうした活動の一つにフォトコンテストがあります。平成14年から始まったコンテストには毎年200点以上の応募があり、入賞作品を展示したり、猪苗代湖を紹介したりするためのホームページで掲載するなどしています。また個人としても参加できる湖未来(みずうみみらい)クラブも設立して水環境保全の情報提供も行われています。このクラブで集める会費は運営費としてではなく、環境保全活動を行う団体等の支援に使われています。猪苗代湖を守っていくためには、行政だけの力に頼らず、誰もが参加しやすいような仕組みが考えられているのです。
 猪苗代湖周辺では自然が身近なものとして感じられます。景観を損なうような看板を撤去しているため、景観の透明度が高いといった雰囲気があるからでしょうか。水を守ることは、同時に地域の自然や人々の未来をも守り育てることなのです。
地元の人たちによる湖畔の清掃活動
アサザの観察会
猪苗代湖をもっと身近なものとして守るため、地元の人たちによる湖畔の清掃活動やアサザの観察会などが行われています。
(写真提供:福島県)

アサザ
黄色い花をつけるアサザも水質浄化に役立つ水生植物です。アサザ群落が形成されている区域は「水環境保全区域」として指定されています。
(写真提供:福島県)
野口英世生家
世界的に有名な野口英世博士は猪苗代湖のほとりに生まれました。いまも生家は大切に保存され、数多くの業績を残した博士を偲ぶたくさんの人たちが訪れます。


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