水の話
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山の緑と一体となった里川

みどりと川の再生の取組

 荒川をはじめ県内を流れる川は豊かな自然を創り出してきました。河原にはいろいろな種類の樹木や草が生え、トンボも飛び、河原をねぐらとする野鳥もたくさんいました。川の中にはシジミやフナをはじめとした貝や魚、水生昆虫たちもたくさんいました。ところが川の多くが汚れていくにつれ、多様な生物の姿は減少していきました。
さらに都市化が進んだことで身近にあった緑の多くが失われました。そして夏場の気温が上昇するヒートアイランド現象も見られるようになりました。平成19年の夏には埼玉県熊谷市で40.9℃の日本最高気温が記録されました。
ヒートアイランドは人口の集中した都市部で見られ、郊外に比べ気温が高くなる現象です。アスファルトやコンクリートによって地表が覆われ、しかも緑が少なくなると、土壌や植物からの水分の蒸発による冷却効果がなくなり、そこへエアコンなどからの排熱が加わることでさらに気温を上昇させます。
ヒートアイランドを防ぐにはエネルギーの使用量を減らすと同時に都市の緑化を進めることでも一定の効果が得られます。そこで屋上緑化や壁面緑化にも取り組んでいる地域もあります。
埼玉県は都市部だけでなく、山や平地の緑を増やすため県民と一体となったみどりの再生の取り組みを展開しています。埼玉県の人口は718万人です。一人が1本の木を植えるだけでも718万本の木が増えることになります。そして水源地域の森づくりや里山の再生などで、平成20・21年度で県内の1,550haの森林を再生しています。川の再生にはこうしたみどりの再生も必要になっているのです。水をきれいにするためには汚れた水が流入しないようにすることですが、そのためには家庭排水の処理から始めなければなりません。


中流域
下流域
埼玉県内を流れる荒川の中流域(上)と下流域(下)。もしも緑がなかったならば、豊かな水の流れもなくなります。


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