水の話
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清らかな水の生まれる里

至る所にある南阿蘇の湧水
 南阿蘇村の中で、湧水が特に多いのが白水地区です。白川の水源の一つであり、日本の名水百選に選ばれている白川水源の湧水量は毎分約60tにも及んでいます。白水の名前は、昔から豊富な泉に恵まれていたところから、「泉」の字を「白」と「水」の二つに分けたのが由来だといわれています。
白川水源以外にも、南阿蘇村には名水とされる湧水が10カ所あり、それらをまとめて南阿蘇村湧水群と呼んでいます。湧水量は季節によって若干変動するところもありますが、年間を通してほぼ一定しています。
そうした水源の中で特に水量の多いのが竹崎水源で毎分120tもの湧水量を誇り、水田の灌漑用水の水源としても利用されています。南郷谷には平坦な場所が少ないため、水田の水を確保する用水がつくられています。その用水はいまから340年以上前につくられたものです。
寺坂水源は近隣の人がイモや野菜の洗い場としても使用しています。水源地の周辺では毎年季節になると、たくさんのホタルが飛び交います。吉田城御献上汲場は、かつてこの地にあった吉田城で使う水をまかなっていました。いまも近隣の十数戸の民家の人たちが飲料水をはじめとした生活用水に使用しています。
明神池名水公園には752m2もの池があり、池全体から水が湧き出しています。元々は現在の7倍近くもある大きな池でしたが、昭和28年の大水害によって、規模が縮小されてしまいました。池のほとりにあるそば屋さんは、明神池の湧水を汲み上げてそばを打っています。南阿蘇村の水道は地下水を利用していますが、水道法によって塩素消毒をしなければならず、どうしても残留塩素が含まれてしまいます。しかしここのそば屋さんでは湧水を直接使用しているため、残留塩素がそばに混じることはありません。また、ゆでたそばは14℃前後の水温の水で冷やすと一番いい味が引き出せるので、そのためにも年間を通してほぼ14℃の湧水は最適だということです。そして水をふんだんに使うことができるのも、湧水のおかげだと語ります。明神池には何個ものポリタンクを携えた人たちが水を汲みに訪れています。米を炊いたりお茶やコーヒーを湧かしたりするためです。1週間分の水をまとめて汲みに遠方から訪れる人もいます。

竹崎水源
南阿蘇村湧水群の中で、水量が最も多い竹崎水源。池の底から川が地上へ流れ出しているといった表現がふさわしい感じです。

疏水
南阿蘇村は平坦な場所が少ないため、田畑を潤すためにいまから340年以上も前に6本の疏水が開削されました。いまも延長70kmの疏水によって1,700haの水田を潤しています。

水を汲みに訪れる人 そば屋さん
湧水群の各水源は、いまも人々の生活の中に根付いています。明神池の水は、池のほとりのそば屋さんが使い、炊事などに使うため遠くから汲みに訪れる人が絶えません。

吉田城御献上汲場
吉田城御献上汲場の水は近所の人に利用されています。野菜を洗うときは水源の出口を使うなど、水源が汚れないようにしています。


いまも生活に使われている湧水
 10カ所の南阿蘇村湧水群の多くは憩いの場所としても利用できるように水辺が整備されています。しかもそれぞれの水源の近くに住む人たちが、いまも生活用水として利用しています。しかし南阿蘇の湧水水源はこれだけではありません。村内のあちらこちらで水が湧いています。
イチゴ栽培などに湧水を利用している農家もあります。水源からパイプを引いて畑や自宅での生活用水として利用しています。道端まで引かれたパイプからは常に水が流れています。その水を汲みにくる人もいます。
南阿蘇村は上水道や簡易水道が整備されていますが、その水源は全て地下水で、総配水量は1日約3,300tです。上質な水で水質検査でも、これまで何も問題は起きていません。大都市の水道ではまず味わえることができないといってもいいほど上質な水です。それでも湧水の方がいいという人も多いのです。

湧水を自宅の近くへ引いて利用 イチゴ栽培に利用
湧水を自宅の近くへ引いて利用したり、その水をビニールハウスのイチゴ栽培に利用している農家もあります。きれいな地下水で栽培されるとイチゴの味までおいしくなりそうです。

南阿蘇村
南阿蘇村の水道水の水源は全て地下水です。都会の水道とは違い、汲み上げた水は水道法に従い簡単な消毒をするだけで給水することができます。


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