水の話
 
ルーツは二千年以上前の中国

豆腐の材料といえば大豆です。豆類の中でも人間とはかなり古くから係わりをもっています。古事記の中で五穀の一つとしてでてきます。原産地は東南アジアとも中国北部ともいわれ、すでに5000年も前から人の手によって栽培されてきた、といわれています。

赤道直下から北緯50度まで
 正月のおせち料理として使われる黒豆、節分の豆まきに使われる豆、そしてビールのおつまみに欠かせない枝豆など、すべて大豆です。大豆というと普通は黄色の豆を連想しますが、種皮の色で黄大豆、黒大豆、青大豆などに分けられています。
 黄大豆は煮豆として食べるほか、味噌、醤油、豆腐、納豆、油などの加工原料に利用されています。黒大豆は別名を黒豆ともいい、兵庫の丹波黒は有名です。青大豆は緑色をした豆で、主にきな粉(うぐいす粉)などお菓子用の原料に使われます。枝豆も緑色をしていますが、これは実が熟す前の青いうちに収穫したもので青大豆ではありません。

 大豆は、別名を畔豆とも呼んでいたように、昔は田んぼの畔によく植えられていました。栽培としてはそれほど土地を選ばない、ということです。いまでは田んぼの畔に植えられている姿はほとんど見かけませんが、大豆畑は、沖縄を除いた日本全国で見られます。 しかも、世界的に見るともっと広い地域、つまり赤道直下から北海道より北に位置する地域で栽培が行われているのです。こうしたことから気候の変化にもかなり適応し、栽培が可能になる植物だといえそうです。
 世界のかなり広い地域で栽培されているということは、それだけ品種改良も進んでいるということです。この場合の品種は種皮の色といった形態的なことではなく、生育日数の長短といった生態系的な分類が行われています。そして、この品種の違いは豆に含まれている成分、たとえばたんぱく質の含有量の違いにもつながっているようです。

大豆

陰暦9月13日夜を「豆名月」と呼びますが、この豆は大豆を指しています。昔は、この頃が大豆の本格的な収穫期にあたったのでしょう。豆の形からは丸大豆と平大豆に分かれます。色によっても黄色、緑色、黒色、さらに褐色などの色別があります。一番多いのは黄色です。緑や黒の大豆で作った豆腐はやはり緑や黒になります。


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