水の話
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美しい風景を創り出してきた自然のエネルギー

ウミガメを育てる山からの土砂
 ウミガメは熱帯や亜熱帯の海を中心に広く世界の海に分布して、アカウミガメ、アオウミガメ、タイマイ、オサガメなどの種類がいます。日本で一番多く見られるのはアカウミガメです。浦島太郎の伝説に登場するのもアカウミガメだとされ、大きいものは甲羅の長さが約100cm、体重は約180kgにもなります。
アカウミガメの寿命は70~80年と推定されていますが、産卵期を除いて外洋を回遊しているようです。日本での産卵は福島県以南の太平洋沿岸と石川県以南の日本海沿岸の砂浜です。
富士川流域の歴史はある意味で土砂災害とのたたかいの歴史でした。富士川流域は日本列島の形成過程との関係で、険しい地形ともろい地盤という特質があります。崩れた土砂は川へ流れ込んで天井川を形成し、平野部で洪水被害をもたらしてきました。しかしその土砂が美しい砂浜をつくり、白砂青松の風景とウミガメの産卵場所を提供してきたのです。


海岸
かつては駿河湾沿岸の砂浜で、多くのウミガメが産卵のために上陸していました。ところが砂浜の減少によって、産卵に訪れるウミガメがめっきり減っています。

砂浜
波打ち際から少し奥まったところでも、砂浜が浸食されつつあります。



山の保全で水を守り災害を防ぎ
 急峻な地形が多い日本では、各地でしばしば地滑りや崖崩れなどの土砂災害が起きています。地滑りと崖崩れの現象面での基本的な違いは移動の速度です。
地滑りは斜面全体がゆっくりと移動するため、滑り落ちる表面の土塊は比較的原形が保たれたまま移動する場合がよくあります。移動速度は1日に数mm程度ですが、突然、一気に滑り落ちることもあります。それに対し、崖崩れは斜面全体が急激に崩落します。
いずれにせよこうした土砂災害は規模が大きくなれば被害も大きくなります。そこでさまざまな砂防工事が行なわれます。砂防工事というと山の斜面をコンクリートで固めたり、急流に堰堤(えんてい)を設けるなどして土砂の流出を食い止めることだけだと思われがちです。
しかし雨や川の流れによって浸食されて地形が変化していくことは、自然の営みです。それを完全に食い止めてしまうことなどできません。大切なことは、人家や田畑、道路などに大きな被害を出さないようにすることです。
日本の山はスギやヒノキの植栽によって人工林が増え、しかも手入れが行き届かなくなり、荒廃していることも土砂災害の原因の一つになっています。荒廃した山の中は日が当たらず、樹木は十分に育つことができないため、落ち葉もあまり積もりません。山の保水機能は低下し、降った雨は地表を流れやすくなります。その結果、土砂崩れの危険がますます高まります。
そこで山に木を植える運動が日本各地に広がっています。健全な森林は地下水を涵養します。地下水は清浄な水となり、地上へ湧き出して川に集まり下流の人々の暮らしを支えます。



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