水の話
メニュー1 2 3 4 5 6次のページ
 
日本を東と西に分ける湾
地図で見た日本列島は南北に細長い形をしています。ところが日本を大きく分ける時、東日本と西日本という言葉が使われます。日本列島を東日本と西日本に分けるのは、単に日本の東側と西側という地理的な理由だけではなさそうです。東日本と西日本では文化、習慣、言葉などにも多くの違いが見られます。

東と西で異なる文化や習慣

 富士川橋梁の全長は1,373mで東海道新幹線の中で最長を誇ります。この辺りは東日本と西日本との境になっているようです。正月に食べる餅は一般に東は角餅、西は丸餅です。料理の味も東は鰹だしが基本であるのに対し、西は昆布だしが基本です。人の苗字も関東と関西では上位にランキングされる姓が異なっています。スポーツの世界でも東西対抗戦の名称でさまざまな競技が行われます。ところが麺類に使われる薬味が白ネギか青ネギかという場合、東名高速道路の浜松サービスエリアを境にして東が白ネギ、西が青ネギだといわれています。
このように、多くの分野で日本列島が東西に分けられていますが、東西の境界線がどこにあるのかといった明確な定義はありません。ただし、日本の交流電源の周波数は東日本が50Hz、西日本が60Hzと分かれています。この場合の境界線はほぼ静岡県の富士川と新潟県の糸魚川を結ぶ線で分けられています。
東日本と西日本の境界線の多くは南北の方向で引かれています。しかし地図で見る日本列島は東西方向に線を引き、南日本と北日本に分けた方が自然な感じもします。


海岸
ユーラシアプレートの下へフィリピン海プレートが沈み込む境界にあるのが南海トラフ。南海トラフの先が駿河トラフで、その延長上にあるのが駿河湾です。


地質学的にも列島の中央部で分かれる東と西

 東日本と西日本との境界を大雑把に見ると日本海側は新潟県から富山県の間、太平洋側は静岡県から愛知県の間にあります。内陸部には長野県、岐阜県、群馬県、山梨県などが含まれています。こうした地域は日本列島4島のほぼ中間に位置するため、東西の境界になるのは当然かも知れません。ところがよく見ると、内陸部には飛騨山脈(北アルプス)や赤石山脈(南アルプス)などがほぼ南北方向に連なっています。
こうした南北にそびえる険しい山々が東西の交流の妨げになっていたことも、文化や食生活をはじめとした多くの分野で日本を東西に分ける原因になったのでしょう。ところが日本を地質学的に東西に分けた時の境界も、日本列島のほぼ中央部にあたります。
実は日本列島のほぼ中央部にはフォッサマグナと呼ばれる地帯があります。フォッサマグナはラテン語で大きな溝を意味し、日本語では大地溝帯と訳されています。溝とはいっても非常に幅が広く、形も不明確なため、上空から見ても溝のような形で確認することはできません。
フォッサマグナの西側の縁は糸魚川静岡構造線と呼ばれ、新潟県の糸魚川市から静岡市を結んでいます。一方、東側の縁は明確にはなっていないようですが新潟平野から千葉県へと伸びています。この他、中央構造線と呼ばれているものもあります。中央構造線は茨城県の鹿島灘辺りから埼玉県、群馬県を通り、長野県の諏訪湖で糸魚川静岡構造線と交差し、南へ下り、天竜川の東に位置する伊那山地と赤石山脈との間を通り、愛知県の渥美半島から伊勢湾を横断し、紀伊半島、四国、九州へと続きます。
糸魚川静岡構造線や中央構造線はフォッサマグナと混同されることがありますが、糸魚川静岡構造線はあくまでもフォッサマグナの西側の縁を形成している断層です。
構造線とはいわば大規模な断層です。地層が不連続になっているところを断層と呼び、多くは地質のずれによって生じます。それに対し、構造線はたんなる地層のズレで生じるだけではありません。異なる地質同士の衝突によってつくられるものもあります。


フォッサマグナ解説

フォッサマグナ断面図

糸魚川静岡構造線の南端
静岡市と焼津市の境にある大崩海岸はフォッサマグナの西端を形成しいている糸魚川静岡構造線の南端です。


メニュー1 2 3 4 5 6次のページ