水の話
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日本を東と西に分ける湾

海底でつくられた日本列島の元

 日本列島はアジア大陸の東の端から切り離されて形成されたとされています。大陸の一部であったとはいっても、海底に堆積してつくられた堆積岩やサンゴがプレートによって運ばれ、大陸の端に押し付けられて陸地となった付加体といわれる部分です。
地球の表面はプレートと呼ばれる何枚もの固い岩石層で覆われています。その下にはマントルがあり、上層部は柔らかく少しずつ動いています。プレートもマントルの移動に伴い動いています。プレート同士がぶつかり合うと、一方のプレートがもう一方のプレートの下に潜り込みます。この時、潜り込む側のプレートの上部の堆積物がはぎ取られ、隆起しながら大陸の縁に押し付けられた付加体が現在の日本列島の元になったのです。
1億3000万年前に大陸の端に日本列島の北半分ができ、7000万年ほど前に、南半分がくっつきました。この境が中央構造線です。




フォッサマグナは日本列島が引き裂かれた跡

 日本列島の元になる陸地が大陸にできた後、地殻変動によって、現在の日本列島と大陸との間に低地ができ、現在の日本海になります。さらに現在の西日本にあたる地域と東日本にあたる地域とが、観音開きの戸を開けるように太平洋側へ開き、その隙間が海の一部となりました。 
こうして海の一部となった部分に岩や泥、サンゴなどが堆積し、さらに火山活動などによって隆起して陸地になりました。フォッサマグナとは東西に引き裂かれて巨大な溝となっていた跡のことです。
赤石山脈はかつて太平洋プレートとともに移動してきた海底の堆積物が大陸プレートによってはぎ取られ、隆起してつくられました。山の中からは、海底に住んでいた貝などの化石もたくさん見つかっています。プレートは現在も動き続けているため、赤石山脈は1年に3mm以上の速度で隆起をしています。
また、プレートが潜り込む時、上に乗り上げる形となるプレートは引きずり込まれますが、ある時点までいくと引きずり込まれたプレートが跳ね上がります。これが地震の原因になっています。
日本はフィリピン海プレート、太平洋プレート、ユーラシアプレート、北米プレートの4つのプレートの上に乗っかっています。そのため、世界でも有数の地震国となっています。




最深部が2,500mもある駿河湾

 日本列島はユーラシアプレートと北米プレートの下へ太平洋プレートとフィリピン海プレートが沈み込む境界の上に形づくられています。プレートが沈み込む境界には海溝(トラフ)と呼ばれる深い地形がつくられます。
静岡県の伊豆半島と御前崎の南端を結ぶ海岸線で囲まれた湾が駿河湾で、最も深い湾口部の水深は2,500m、湾中央部の水深は1,500mにも達し、日本一深い湾として知られています。ユーラシアプレートとフィリピン海プレートの境界が南海トラフで、その東北端を駿河トラフと呼び、駿河湾内へ達しているために深海となっているのです。
近い将来発生すると予測されている東海地震の震源域とされるのがこの駿河トラフです。南海地震は四国沖から紀伊半島沖の南海トラフ沿いに発生する地震で、紀伊半島沖から駿河トラフの間で発生する地震を東南海地震と呼んでいます。
駿河湾は湾口が大きく開き、非常に深い水深をもっているのが特徴です。体長が3mを超える世界最大のタカアシガニや古代ザメの一種とされるミツクリザメといった深海の生物やサクラエビなどをはじめとした魚介類の種類は豊富です。


サクラエビ
一番深いところでは水深が2,500mもある駿河湾にはさまざまな深海の生物がいます。またサクラエビなどをはじめとした魚介類の種類も豊富です。


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