水の話
 
陸上の生活から水の中へと進出した虫

水生昆虫も祖先は陸上で生活
水面 昆虫の特徴は体が頭部、胸部、腹部の3つに分かれ、3対(合計6本)の足を持っていることです。昆虫をもう少し細かく分類すると、コウチュウ(甲虫)、チョウ、ハチ、ハエ、カメムシ、トンボ、バッタ、カゲロウ、カマキリなどの仲間に分かれます。そしてこれらの仲間のほとんどに水生昆虫が含まれています。水生昆虫について考える場合、こうした種類よりも、すんでいる場所で考える方が分かりやすいようです。つまり川のような流れのある場所にすんでいる流水性昆虫か、池や田んぼといった流れのない場所にすむ止水性昆虫かといった区別です。
流水性昆虫にはカゲロウ、カワゲラ、トビケラなどの仲間がいます。止水性昆虫にはゲンゴロウやホタル、ミズスマシといったコウチュウの仲間、タガメやタイコウチ、アメンボといったカメムシの仲間などがいます。トンボの仲間も多くは止水性昆虫ですが、流水性昆虫もいます。
水中で生活している動物には、海の中で進化発達したものと、一度陸上で進化発達してから水中の生活に戻ったものがいます。水生昆虫も基本的には陸上から水中へと進出したといわれています。というのも、呼吸方法が水中で進化発達したエビやカニとは異なっているからです。エビやカニ、魚などはエラから水中の酸素を取り入れ、それを血液で体の各部へと運びます。
昆虫は腹部と胸部それぞれの側面にある気門という小さな穴から空気を取り入れ、空気の通路である気管を体中に張り巡らして酸素を供給しています。水生昆虫もこの気管で酸素を供給しています。エラを持つ水生昆虫もいますが、エラの中に細かな気管が入り込んでいます。つまり、水生昆虫の基本的な体の構造は、陸上の昆虫と同じなのです。とくにコウチュウやカメムシの仲間は気門によって空気を取り入れるなど、陸上生活での痕跡が残されていて、水中へ進出した時期が他の水生昆虫に比べて新しいことが分かります。

◎水質を調べる指標生物(資料:愛知県環境部)
水質階級I
(きれいな水)
水質階級II
(少しきたない水)
水質階級III
(きたない水)
水質階級IV
(大変きたない水)
アミカ
ウズムシ
カワゲラ
サワガニ
ナガレトビケラ
ヒラタカゲロウ
ブユ
ヘビトンボ
ヤマトトビケラ
イシマキガイ
オオシマトビケラ
カワニナ
ゲンジボタル
コガタシマトビケラ
コオニヤンマ
スジエビ
ヒラタドロムシ
ヤマトシジミ
イソコツブムシ
タイコウチ
タニシ
ニホンドロソコエビ
ヒル
ミズカマキリ
ミズムシ
アメリカザリガニ
エラミミズ
サカマキガイ
セスジユスリカ
チョウバエ


メニュー1 2 3 4 5 6次のページ