水の話
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3000万種もの生物がすむ地球

年間4万種の生物が絶滅

 これまでに知られた全世界の生物の総数は約175万種です。最も多いのが昆虫で約95万種、次が植物の約27万種です。また鳥類は約9,000種、哺乳類は約6,000種、この他に魚類、爬虫類、両生類などがいます。ところがまだ知られていない昆虫や植物などがいます。これに未知の種を合わせた生物の種類は3,000万種以上に及ぶとも考えられています。人は3,000万種にも及ぶ生物のなかの1種にしか過ぎないのです。また膨大な種類の生物が成育、生息しているのは世界の陸地面積のわずか7%を占めているだけの熱帯雨林です。
新種の生物が発見される一方で、絶滅の危機に瀕している野生生物もいます。国際自然保護連盟(IUCN)はそうした絶滅の恐れのある生物をリストアップした「レッドリスト」や「レッドデータブック」を作成しています。さらに国や各自治体もレッドデータブックを作成しています。
日本では野生の動物や植物のうちの約3割にあたる3,000種以上が絶滅の危機に瀕しているとされています。ところが地球上からは年間4万種もの生物が絶滅しているといわれています。


ホトケドジョウ
顔が仏様に似ているところからホトケドジョウの名前が付いたといわれています。かつては水田や小川などで見ることができましたが、地域によっては絶滅したところもあります。

タナゴ
タナゴはため池や小川などでごく普通に見ることができたコイ科の魚で日本には14種が生息しています。しかしブラックバスなどの外来魚に捕食されたり、外来のタイリクバラタナゴとの競合などで絶滅が危惧されています。



鎖のように繋がっている全ての生物

 地球は豊かな生物たちで満ちあふれています。しかも新しい生物の誕生と進化、そして絶滅が繰り返されて現在のようなさまざまな姿になったのです。現在の地球で、何万年、何10万年前と全く同じ姿で生きてきた生物を見ることはほとんどないといっていいでしょう。あるものは進化し、またあるものは絶滅していったのです。新しい生命の誕生と進化、そして絶滅は自然にとっては当たり前の営みです。では、なぜいま生物の絶滅が問われているのでしょうか。ひとつは絶滅のスピードが速すぎるということです。一説では氷河期の頃に比べ1,000倍の速さで絶滅が進んでいるといわれています。しかも絶滅の原因を作り出しているのが自然の営みではなく、人にあるからです。
生物はお互いに密接な関係を持って生きています。例えばきれいな水や酸素を供給するのに重要な役割を持っているのが森の木々です。どんな大木もいつかは寿命が尽きて死を迎えます。ところが森の中では寿命の尽きた生物が分解される一方で、常に新しい木が芽生え、再生が繰り返されています。
動物の死骸や木の葉などはバクテリアによって分解されて腐葉土となります。また固い幹を分解するのはキノコなどの菌類です。分解によって有機物は窒素や二酸化炭素などの無機物となり、再び植物などが成育するために必要な栄養が作られることで、たえず森は再生を繰り返しているのです。
バクテリアや菌類がいなければ、寿命の尽きた生物は分解されることなく枯れるだけかミイラのようなるだけです。こうして森の再生が不断に繰り返されて、新芽や樹液、あるいは木の実などを求めて多くの虫や動物たちが暮らせるのです。こうしたつながりの一つが欠けてしまうと、生態系のバランスが崩れてしまいます。
生物多様性には3つの意味が含まれています。1つ目は地球上には熱帯や砂漠、南極などさまざまな環境があり、それぞれの環境に適応した生物がお互いに繋がり合って生存していることです。これを生態系と呼んでいます。2つ目は多くの種類の生物がいることです。生態系が複雑になれば、当然、生物種も多くなってきます。そして3つ目が、同じ種であっても色や形に違いがあるように、かなりの個体差があります。これは遺伝子の違いによるものです。こうした生態系としての多様性、種としての多様性、個体としての多様性の3つを合わせて生物多様性といっています。


落ち葉
森や林の中の落ち葉の下にも様々な生物がいます。落ち葉などはバクテリアによって分解され、森を再生する新たな養分に生まれ変わります。

菌類
堅い木などはキノコなどの菌類によって分解されます。



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