水の話
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山の恩恵を受ける都市

自前で水を確保できる神奈川県
 神奈川県は水源ダムがある相模川水系と酒匂川水系で県内の上水道の約9割を供給しています。地下水も含めれば、ほぼすべての水を県内で確保しています。
相模川は富士五湖の一つである山梨県の山中湖を水源とし、山梨県では桂川と呼ばれています。山中湖の北西部から北西方向へ流れ、山梨県の富士吉田市辺りで北東へ向きを変え、さらに大月市で東に向かい相模湖(相模ダム)、津久井湖(城山ダム)を経て神奈川県の中央部を南に流れ、宮ケ瀬ダムのある中津川と合流し相模湾へ注いでいます。相模湖、津久井湖の集水域の約8割は山梨県の山林で占められています。
酒匂川の水源は西丹沢や静岡県の御殿場市と小山町です。西丹沢を集水域とする中川川(なかがわがわ)、玄倉川(くろくらがわ)、世附川(よづくがわ)の3川が合流する地点に作られた三保ダムによってできた丹沢湖から河内川(こうちがわ)となって流れ、富士山麓を水源地とする鮎沢川と合流し酒匂川となり小田原市で相模湾へ注ぎます。
これら4つのダム湖に蓄えられた水は、上水道として使うために相模川と酒匂川の下流域に作られた取水堰から取水しています。

沢
水源の森で生まれ、流れてくる沢。こうした清冽な流れが何本も集まり、下流域から取水され、神奈川県の人々の暮らしを支えています。



森と同時に水を守る対策
 水源地域の水質を確保するために必要なことは荒廃した山林の再生と同時に生活排水の対策です。そこで神奈川県は平成17年度に20年間で取り組む「かながわ水源環境保全・再生施策大綱」と大綱をもとに5年ごとに見直しながら実施していく「かながわ水源環境保全・再生5か年実行計画」を策定しました。そして19年度から導入した水源環境保全税で5か年計画を実行しています。
5か年計画は「豊かな水を育む森の保全・再生」と「清らかな水源の保全・再生」の2つとこれらを実施していく9の事業のほか、山梨県にまたがる集水域での共同調査などを行なうとともに、県民も参加しての水源環境保全・再生のための新しい仕組みを作り出していくとしています。
こうした水源環境保全の取り組みは水源環境保全税を実施する以前から行なわれている事業もあります。例えば平成9年度からは水源の森林づくり事業にも取り組んでいます。こうした事業をさらにペースアップして行なうため、それまでの予算に水源環境保全税を上乗せしています。
また間伐材は利用しなければ、意味がありません。生長した県産材も使い途がなければ伐り出すことができなくなってしまいます。そこで間伐材や県産材の需要拡大や新しい用途などについては一般財源と連携しながら整備を図っています。

間伐
水源の森を守るため間伐や下草狩りを行なったり、間伐材を山から搬出するために水源環境保全税が使われています。(写真提供:神奈川県)


自然石を使った護岸
水質浄化のため、多自然川づくりでは自然石を使った護岸や木炭などの設置といったことも行なわれています。
(写真提供:神奈川県)


土壌流出対策が施された水源地
砂防堰堤のコンクリートの表面を間伐材で覆い、沢の両岸にも間伐材を使って土壌流出対策が施された水源地。



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